2014-11-06

見上げるということ






人を呼んでいた。

大きな塔の上にいる人の名前を呼んでいた。

おーい!





答えは返ってきても、その人は姿を現さない。

答えのない日は、その人はそこにいないか、いないふりをしている。





塔に登れるようになった。

登っていってその部屋のドアをノックした。

もしもし。いますか。





答えは返ってきても、その人は姿を現さない。

答えのない日は、その人はそこにいないか、いないふりをしている。





ある日には

少し怒ったような雰囲気をたたえて、その人を守る人が出てくる。

あの方はこれより別の用があり北の地に向かう。

本日は帰ってくれ。





そして別のドアをノックした。

テリトリーは増え、叩くドア、呼ぶ名前は増える。

おーい。

だれか。

だれか。






















プールを準備して、水遊びをする妖精がいた。

水着がないのでフェンスにもたれて眺めていた。

塔の主は電話をかけ、私は塔に帰る。

そしてなんてことをしてくれたんだと怒られる。





一体何をしたのか、自分でもよくわからない。

わからないけど、謝る。

ごめんなさい。

ずっとそうだった。

わからないけど、謝る。

そうしているうちに何もわからなくなった。





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